新1年生の下校

お作法

 入学して1週間、少しずつ学校に慣れてきたところ。1年生の下校にまつわるあれこれをまとめました。下校でも、子どもを伸ばしていきましょう!

新1年生は、帰り道が分からない!!

 登校は、集団登校であったり、近くの上級生や兄弟と一緒のことが多いです。親も、通学路を一緒に歩いて確認しますよね。(親が通学路を知らないのは、危険です。忙しくて、通学路の確認を人に任せているという方がいれば、できるだけ早く親子で一緒に歩いて、危険箇所を確認しましょう。)意外な落とし穴が、家への帰り道です学校に行くときとは景色が変わり、曲がるところを直進してしまって、迷子になることがあるのです。学校によっては、同じ方向の子ども同士を一緒に並ばせて、教員が引率してしばらく下校する、ということもあるでしょう。あるいは、学童保育まで引率してもらえる、という家庭もあるかもしれません。迷子や危険箇所、不審者対策は、多くの保護者がされているところですが、よく聞くトラブルを紹介します。

違う方向の友達について行ってしまった!

 この頃の1年生の担任たちは、勉強というよりも、安全に1日が終わることを最優先としており、下校についても神経をとがらせています。誰が、どこへ、どのようにして帰るのか、30名分を把握するのは至難の業です。それでも、並ぶべき場所に並んでおらず、違う方向に行く友達の列に迷い込んでしまう子が、毎年100名中、数名は、必ずいます・・・。毎日そんな子を発見しては、「あなたはここ!」と動かして、出発するのですが、なぜかときどき、違う方向に紛れている子がいるのです。(おそらく確認後動いているのかと…)並んで歩いている子どもは、どういうわけか、家と違う方向に歩いていても気付かないことがあります。車社会で育っている子は、なおさらです。学校からだいぶ離れてしまってから、「こっちじゃない」と泣き出します。引率している教員は、他の子と一緒に足を止め、学校へ電話を入れます。授業がない教員に応援を求め、その場まで来てもらい、迷子の子に付き添って家まで送ることになるのです。小学校は、とにかく人手がなく、授業がない教員は基本的に、下校の引率に割り当てられているので、迷子の子に付き添える教員はいません。来てもらえたらラッキー、来てもらえなかったら、来るまで一緒に待つことになります。一緒に待つ子たちは、もちろん足止め。帰宅が遅れてしまいます。我が子の帰宅が遅いと、心配した保護者が探し始めたり、学校に電話をかけ始めたりします。迷子の子は、悪気はないのですが、自分が並ぶ列はしっかり分かるように、「○○くんと、○○ちゃんと、一緒!」というように、おうちの人に、何重にも確認してほしかったなあ、と思います。

担任と親の意思疎通ができていなかった!

 低学年のうちは、連絡帳やアプリなど、いつもと下校の仕方が変わるときに担任に連絡するよう求められていることがあります。担任に何も連絡がなく、子どもと親だけの口約束のときに、ときどきトラブルが起こります。いつもは歩いて帰るのに、突然迎えに来て、担任に何も言わずに帰ってしまう親がいます。いつも一緒に歩いて帰るメンバーが「先生ー!○○ちゃんがいませーん!」ということで、捜索開始になってしまいます。一緒に帰るメンバーは、もちろん足止め。学校から出発できません。

 このようなことは、よくあるのですが、困るのが、連絡を求めると逆ギレする親がいることです。忙しいのは分かりますが、自分が連絡をしないことで、他の子どもたちとその保護者が困っていることを、想像してほしいですね。

 担任が把握していたにもかかわらず、下校の仕方が違った、ということもあります。人数が多い学校では、もちろん担任も声をかけるのでしょうが、一人一人の確認までできないという事情もあると思います。お子さんにしっかりと伝えて、先生が言ったことと親が言ったことが違うときには「今日は、お母さんが迎えに来るっていっていました。」と、大事なこととして言えるようにしておかないといけませんね。小学校に上がると、自分のことは自分で、が基本です。失敗はあるかもしれませんが、我が子をしっかり育てていきましょう。

友達とのトラブル

 新1年生の行動は、謎につつまれています。何をするか分かりません。下校中も気になるものが目に入ると、立ち止まったり、すぐに手を出してしまったりと、油断なりません。家まで安全に、まっすぐ帰ってほしいという親の願いは、なかなか届かないのです…。引率されている間は、あまりないとは思うのですが、教員の引率がなくなり、解き放たれた子どもたちは、自由気ままに歩きます。交通事故や、溝に落ちたり…といったことはもちろん心配ですが、友達とのトラブルには特に気をつけてほしいところです。親ぐるみのトラブルに発展しかねないからです。傘を友達に当ててしまう心配があれば、雨の日はレインコートを着させましょう。水筒は必ず首からさげさせましょう。友達の物や体には絶対に触れないように、約束をしておきましょう。後ろからランドセルを引っ張ったり、歩くのが遅いと後ろから押して転ばせたりすることはよくあることです。友達を追い越して、競争みたいになり、事故にあったときには、原因を作ったのは誰か、という話にもなります。下校の様子には、いつも目を光らせ、抜き打ちで見にいくのがよいです。仕事でそれができないということであれば、近所の人に様子を聞いて、迷惑をかけていないか探ることも大切です。よその敷地内に勝手に入り、学校に苦情が入ることもよくあります。放課後の担任の仕事には、このような下校のトラブル処理もあるのです。地域に謝りに行ったり、いろんな家庭に電話をかけたり・・・。我が子がどんなことをしているのか、親に見て知ってもらいたい、と思うことがよくあります。

丁寧すぎる連絡帳

 (トラブルではないのですが…)いつもと同じ下校の仕方でも、毎日連絡帳にそれを書いてくださる保護者がいます。授業の合間に、たくさんの連絡帳にお返事を書かないといけない担任としては、正直なところ、「いつものことは書かなくていいですよ~(T-T)」と思ってしまうことがあります。私は、書いてくれない保護者よりもいいと思っていたので、好意的にとらえつつ、確認印だけを押して返却していました。ときどき違う下校のことが書いてあっても、うっかりいつもと同じだろうとスルーしそうになることもあります。書かないと子どもが納得しない、ということでなければ、毎日同じことは書かない方がよいと思います。

我が子の下校に関心をもって!

 下校は、大人の目が届きづらく、いろいろなトラブルが起こります。しかし、友達と楽しく帰ったり、道ばたの草花や生き物から季節を感じたりするなど、子どもを育てる要素も盛りだくさんです。歩くと体力もつき、暑さや寒さへの対処法も身につきます。他にも、地域の様子や時間の感覚、人との関わり、自立心…子どもの生きる力につながる、たくさんの成長が期待できます。手や目を離しつつも、心はしっかり寄り添って、我が子をまっすぐ伸ばしていきましょう♪

コメント

タイトルとURLをコピーしました