小学生の宿題

お作法

宿題の意味は?

 今でも多くの小学校では毎日担任から宿題が出されていると思います。宿題については、近年いろいろな考え方があり、「うちは宿題はやらせない」「子どもに任せているから、しているかどうか知らない」という家庭も存在します。ただ、宿題をうまく活用すると、我が子や親にとってかなりのメリットがあるので、宿題の活かし方を紹介できたらと思います。

活かし方①子どもが自分のペースで復習して確実に理解するために

 宿題の内容は、学校で新しく習ったことの復習や、新しい勉強につながる準備運動であることが多いです。国語では、習った漢字を覚える書き取り練習などが出ますし、算数では、学校で習ったばかりの計算や、前の学年の復習問題が出ることがあります。多くの子の場合、学校で新しく習った漢字や計算を覚え、自分ですらすら解けるようになるためには、学校の授業では時間が足りません。解けるようになるまでにかかる時間も、子どもそれぞれです。

うちの子、宿題にすっごく時間がかかる。分かっていないのかも・・・。

 「分からない」もいろいろなタイプがあるので、授業が全く理解できていないようであれば、担任に相談してみたほうがよいかもしれません。しかし、多くの子にとって宿題は、友達のペースを気にすることなく、納得できるまで自分で取り組めるものなのです。クラスには、塾などで先に習い、授業ですぐに問題が解ける子もいます。しかし、学習指導要領や教科書のカリキュラムは、長い目で見て、子どもの理解を広く深く広げられるようにできています。学校の授業で初めて習ったことを、家の宿題で復習し、根気強くできるようになる子は、自分の力で伸びることができる子です。そんな子は、学習が難しくなっても、どうすれば理解できるのか知っています。自分が「わかった!」となるために宿題をすることをしっかり我が子に教え、褒めて励まして、自信をつけてあげましょう。そのためには、テレビやゲームなどの誘惑がないように、家を整えてあげることは必須です。小学生で1時間以上かかるなら、時間のかけすぎかなとも思いますが、本人が自らやっているのであれば、気が済むまでやらせてあげてたいところです。宿題で理解し、学校で「わかる」実感が得られることが、大切です。

活かし方②親が子どもの理解度をつかむために

 学校や塾のテストよりも、子どもが目の前で問題を解いている様子を見てあげましょう。点数には表れない、いろいろなことが分かります。例えば算数では、以下のことでよくつまずく子がいます。

算数のつまずきポイント

・計算ミス(1・2年生の足し算や引き算、九九を忘れている)

・何段階かに分けて答えを出す問題(かけ算をしてから引き算をする等)のときに、見通しがもてていない。

・問題の場面が理解できていない。(言葉からイメージができない)

・問題の場面から式が導けない。(どんな場面で何算を使うのか分かっていない)

・単位が理解できていない。(数の大きさの概念が身についていない)

・数字が正しく書けていないための誤答。

 「分からない」にも、いろいろなタイプがあり、それによって解決策も異なります。算数は積み重ねの教科なので、前の学年の内容が身についていなければ、できるだけ早く解消してあげないといけません。解消してあげたら、算数に対する苦手意識は確実に減るので、学校でなんとかなるだろうと考えるよりも、親が苦手を見つけて対策してあげる方が、早く確実に子どもを伸ばせます。お金をかけて、塾に入れるのは手っ取り早いですが、親が子どもを知り、子どもが自分自身を知ることは、この先も伸び続ける上でとても大切だと思います。

活かし方③学習習慣をつけるために

 学校で頑張ってきた子が、ほっとするのが家です。家で勉強ができない、というお子さんの話もよく聞きます。学童保育でずっと宿題をしてきたので、家で学習する気にならない、という話も聞きます。しかし、中学生や高校生になると、家で全く勉強できないとなると、かなり苦しくなってきます。我が子が受験生になったり、資格をとるための勉強をしたりするようになったとき、小学生からの積み上げが効いてきます。漫画やゲームを自分で遠ざけることを教えたり、集中しやすい環境を一緒に考えて作ってあげたりしましょう。小さい頃は親の付き添いが効果がありますが、できなければ終わらせた宿題を出す場所を家で決めておいて、親が必ず目を通して褒めてあげましょう。宿題や連絡帳、おたよりを出すボックスを作ることもおすすめします。家での学習習慣は親がつけてあげましょう

子どもが得する言葉がけをしましょう

 宿題についてネガティブなことを親が言うと、その考えは子どもに影響します。「学校の宿題なんかさっさと済ませて、塾の勉強をやりなさい。」では、学校のことは適当になります。その価値観を学校に持ち込み、周りの子や担任に「学校の勉強は意味がない」と言葉に出す子もいます。発達心理学や学習心理学の研究成果を集め、作成されたカリキュラムに沿った学校教育も、家庭次第で効果に大きな差が出るのです。中学校や高校の土台になる、小学校で学ぶ知識を、上辺だけ理解するのではなく、宿題を活用して意味のあるものにしていきましょう。

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