読書好きの子に育てるには

子育て

全ての教科の基本は「言葉の力」

 得意な教科、苦手な教科、いろいろあると思いますが、教員経験が長くなるとやはり国語の大切さがよく分かってきます。言葉の力を育てるのには、いろいろな方法があると思いますが、やっていて間違いないのは、やはり読書です。算数の文章題が分からない、語彙が少ないなど、親御さんから相談を受けてきましたが、言葉の力は計算暗記とは違い長い目で育てていくものです。

そんなの昔から常識。でも、うちの子全然本を読もうとしないの。

小さいときにはたくさん読み聞かせしてあげていたのに、今は本が好きじゃないみたい。

たくさん読んでくれたらいいのに。

「読み聞かせ」で本好きになるとは限らない

 赤ちゃんの頃から読み聞かせを頑張った、という親御さんは多いでしょう。読み聞かせには、言葉の習得や、親子のスキンシップなど、さまざまな良いことがあると言われています。ただ、これが子どもが本好きになることとは、直接のつながりはないようです。読み聞かせをするのは、子どもが小さい頃ですね。小学校中学年以上になったら、絵本の読み聞かせだけではなく、長い物語や科学読み物などから、多くの知識を得てほしいですね。絵本の読み聞かせは大好きだけど、自分では本を読まないのでは、そこにたどりつくことはできませんし、読解力も伸び悩んでしまいます。

本好きな子を見て分かったこと

 小学生を見ていると、クラスに数名は驚くほど読書をする子がいます。低学年でハリーポッターを楽しむ子、幅広いジャンルの本(女の子が好きそうなキラキラの本まで!)を読みあさる男の子、地味な表紙で字ばかりの本を楽しむ子・・・。にこにこしながら、お気に入りの本を教えてくれたものです。読むスピードにも、驚かされます。そんな子たちや親御さんに、読書について聞くと、次のような共通点がありました。

①読み聞かせをしてもらっている

やはり小さい頃に読み聞かせをしてもらっていたようです。本との出会いがなければ、本を好きになることは難しいでしょうね。そのあたりは、親の意識が少なからず影響しているのだと思います。

②本を大量に読み始めるきっかけとなるシリーズと出会っている

絵本が好きな子は多いですが、いきなり字が多い本を楽しめるようになるのは難しいです。絵が多く、少し厚めの本、さらにシリーズでどんどん読み進められる本にはまったことが、読書好きのきっかけになったという子が、けっこう多いです。きっかけとしてよく聞くシリーズ本を下に3つ紹介しています。

一番多いのは、「かいけつゾロリ」シリーズ。アニメにもなっていますし、自分が小学生のときに読んだという方も多いのでは!?

「おばけのアッチ」シリーズも昔ながらですが、今でも女の子を中心に人気があります。

テレビでおなじみの「忍たま乱太郎」は、息子の本が好きになるきっかけになりました。

この3つはどれも、同じくらいのサイズ感です。とっつきやすいけど、ある程度のボリュームがあり、1冊楽しめたらどんどん別の巻が借りたくなり、結果的に読書量がいっきに増えるのです。

③図書館に連れて行ってもらっている

週末図書館へ行き、親子で借りるルーティーンがある家庭をよく聞きます。図書館の方によると、家族4人で、10冊ずつ借りて帰る強者までいるようです。市立図書館は無料なので、家から行きやすいところにあれば、使わない手はないですね。

サブスクで、絵本が届くものも最近はありますね。

④親も一緒に読書をする

本好きの子に育てるために、一番効果があるのではと思うのがこの方法です。本を読めという親が読まないのでは、あまり説得力はないですね。図書館には、雑誌や暮らしの本もあるので、親も幅広いジャンルの本を楽しむ姿を見せたり、一緒に読んだりしましょう。子どもが読んだ本を読んで、面白かったところを話したり、感想を聞いたりすることは、子どもの読解力を育てます

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