算数セットで遊ぼう~とけい~

学習用具

時計の学習は先取りOK

 入学前に先取りで学習するのをおすすめするのは、アナログ時計の読み方です。計算や文字の書き方は、やり方を間違うと、先に学習する弊害も大きいですが、時計の読みは、いくら早くてもよいというのが私の考えです。

理由1 読めるようになるのが難しいから

 アナログ時計は、教えないと読めるようにはなりません。デジタル時計は数字が表示されるため、「時」と「分」をつければすぐに読み上げることができるのですが、アナログ時計はそうはいきません。小学校1年生では、前半に、まず「何時」ぴったりの時刻の読み方と、「何時半」の読み方を学習します。学年の終わりに、「何時何分」の読み方を学習します。「何時」と「何時半」の読みは、まだ簡単なのですが、「何時何分」でつまずく子は、多いです。

学校で習うから、ほっといても読めるようになるんじゃないの?

 残念ながら、学校で「何時何分」の学習の配当時間は、1~2時間程度になっているはずです。習うにしても、習熟の時間がとれないのです。読み方は、生活の中で身についていきますが、家にアナログ時計がなければ、身につける機会を逃します。アナログ時計になれていない子は、親が「今、何時何分?」と時計を読ませたり、「○時○分に家を出ようね。」などと声をかけをして、意識的にやらせないと、何時何分をいつまでも読めるようになりません。実際に2年生になって、「○時○分から○分後は??」といった問題に出会ったときに、まず時計が読めなくてつまずく子は多いです。

理由2 見通しをもって生活できるようになるから

 今を生きる子どもにとって、先のことを考えるのは、とても難しいことです。叱られると分かっているのに、ついつい悪いことをしてしまったり、絶対ばれる嘘をついてしまったりするのは、後のことをイメージできないからという理由もあります。しかし、先のことを考えて行動するのは、是非身につけさせたい力でもあります。「○時になったらおやつ」「○時になったらお風呂に入る」「ゲームは○時○分まで」などと、時間を意識して毎日を過ごすようにしてみましょう。時間を守ったら褒められる、時間を守ったら、自分の好きなことがたくさんできた、という経験を、家でたくさんさせておくとよいですね。その中で、時間の感覚を育てていきましょう。

 学校生活でも、授業の開始を遅らせたり、友達を待たせたりすることは避けたいです。しかし、親がマナーの一つとして躾をしないと、待たせることに罪悪感も感じにくいです。日本で人間関係がうまくいくためのマナーでもあるので、時計を読むことと、時間の約束を守ることは、一緒に教えていきましょう。

理由3 数の感覚を養えるから

 時計の長い針を「何分」と読むのは、難しいです。最初は小さな目盛りを数えて「1分、2分、3分…」と数えます。その後、1を指せば5分、2を指せば10分であることから、「5分、10分、15分…」と簡単に数えて読む練習をします。家で時計の読み方を教えるときにも、このように教えてあげてください。

 ちなみに、この「5、10、15…」の数え方を、「5とび」と言うことがあります。数を5のまとまりごとに数えるのですが、これは、入学後の算数でとても大切な数の捉え方になります。時計を読むことを通して「5とび」に慣れておくと、数や計算を理解するときに、とても役に立ちます。(子どもにはあまり役に立っている感覚はないでしょうが、知っている子と知らない子では、理解の早さが全然違います。)実は、2年生のかけ算九九では、「5の段」を最初に習うことが多いのですが、それもこの「5とび」が一番分かりやすいからというのもあります。

算数セットの時計で遊ぼう

 まずは、子どもにたくさん触らせてあげましょう。子どもは、時計の上のつまみを回して、時計の針を回すのが大好きです。好きすぎて、学校で先生の話の最中にいじって注意をされる子がいるのは、まさに「あるある」です。ブロックと同じように慣れて、入学までに、触りたい誘惑を減らしておくといいですね。

時計回りを教えましょう

実は、時計の針がどっち向きに進んでいるのか知らない、という子がいます。これが分からないと、そもそも時間の話ができないので、まずは針が動く向きを教えてあげましょう。

何時と何時半を教えましょう

長い針が12、短い針が○時のときに、「○時」ということを教えてあげましょう。なれたら、「○時半」が読めるようになります。算数セットの時計で自分で作ると、理解が深まります。

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