小学生のテストは何点とったらいいの?よくあるまちがいと対処法

学習サポート

小学生のテストで90点未満は要注意!そのままにしないで

小学生のテストって、何点くらいとったらいいの?

私は90点以上はとってほしいと思っています。

ここではその理由を説明します。

うちの子、この前の70点だったんだけど、どうしよう!

塾に入れないといけないのかしら・・・

小学生のテストは、たしかに成績に関係あるものですが、中学生のテストとちがいます。

多くの大人は、中高生のときに試験勉強した記憶があるでしょうが、小学生のときにはしていないのでは?

小学校のテストは、子どもだけではなく親へのメッセージが含まれています

中高生のテストと大きくちがう点をまとめてみました。

 小学校のテスト 中・高等学校のテスト
範囲単元ごと
(内容ごと)
いくつかの単元が
範囲として出題
テスト
勉強
普段の授業や
宿題がメイン
テスト週間に
自分で対策
問題主に業者が作成担当の教員が作成
点数標準が70~85点
程度に設定
担当教員や学校に
よって異なる

小学校のテストは全国どこでも同じようなものです。

小学校のテストは、子どもがどれだけ学習が分かっているかつかみ、サポートの方法を考えるための客観的な材料なのです。

テストの点数にかいてある「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」って?

テストにはかならず、次のような観点がついています。点数だけで一喜一憂してはもったいないので、観点について説明します。

知識・技能

計算の答えや漢字、理科や社会で習った言葉などの、基本的な知識を問う問題です。

多くの子は授業中にできるようになり、宿題で定着させていきます。

公○式などは、この力に特化した塾だといえます。

練習をすれば多くの子が高得点をとることができます。

思考・判断・表現

読み取ったことをもとに考えたことを、自分の言葉や式などで表す力を問う問題です。

問題から必要な情報を取り出したり、正しい書き方で答えたりする必要があるので、苦手とする子は多いです。

多くの子は、知識・技能よりもこちらの点数が低いように思います。

深く考えないと正解できないうえに、じっくり育てる力なのでなかなか得点を上げにくいです。

主体的に学習に取り組む態度

テストの裏にときどきついており、点数がつかないことが多い問題です。

学習が分かるようになるためにどうがんばったのか、習ったことを今後どう役立てていくかなど、主体的に学習したかどうかを見られています。

テストの点数をとるためではなく、学習内容に興味をもつ子や「できるようになりたい」と頑張る子がよい評価をえられます。

この力は、「知識・技能」「思考・判断・表現」を伸ばすエネルギーとなります。

小学生のまちがいの種類と対処法

まちがいのタイプを4つあげてみました。

点数も大事かもしれませんが、なぜまちがえたのかよく見てみましょう。

子どものつまずきを家でサポートすることで、将来が大きくかわることもあります。

①学習内容が分かっていない

テストでのまちがいは、これが原因だと思う人は多いでしょうが、小学生の場合そこまで多くありません。小学生の場合、担任や親がサポートすることが多いからです。

このタイプのまちがいをする子は、分かっていないことを隠したり、答えを写したりしていることがあります。授業中に話を聞いておらず、理解できていないこともあります。

要注意なのは前の学年の内容が分からずまちがえているときです。

高学年になると、九九の苦手な段や筆算のかきかたなど、忘れることがあるんです。

分かっていないことが判明したら「ラッキー」。同じような問題や、前の学年の問題を分かるまで解いて、将来にもちこさないようにしましょう。

②問題の意味が分かっていない

目で追ってよむだけでは、文を理解しきれない子がいます。まちがえている問題文をゆびさして、声に出して読ませてください。読む力があれば、それだけで理解できます。

要注意なのは、声に出して読んだときに「かたこと」のような拾い読みになっていたり、読んでも意味が分かっていないときです。

問題文を読ませて、絵をかかせてみましょう。

いちごが15こあります。

3人で 同じ数ずつ分けました。

一人分はいくつになりますか。

これは3年生の割り算の問題です。

割り算のテストと分かっているので、多くの子は15÷3の計算をします。問題文に15と3という数字があるからです。

しかし、絵をかかせてみると、意外と分かっていないのです。

特に問題文が読めない子は、文を読んで絵をかくことが苦手です。

自分の頭の中で、文字をイメージに変換するのがむずかしいのです。

教科にかかわらず、文を読んで絵にあらわすことは、言葉の力を鍛えるよいトレーニングとなるので、読むのが苦手な子にはおすすめです。

③答えがかけない

口では答えられるけれど、テストの解答欄にかけないパターンです。

「分かってはいるけどかけない」には、手を動かして字をあまりかいていないことが考えられます。

最近は、デジタルドリルなどのツールも増え、紙に字を書く機会がどんどん減っています。アナログかもしれませんが、紙に鉛筆で字を書くことで、思考力や表現力が伸びるという調査結果があります。

プリントや漢字練習はアウトプットする力の土台となるのです。

言葉、数字、単位などは、ある程度量を書いて慣れる必要があります。

要注意なのは、書字障害が隠れている場合です。書くことが極端に苦手な子のことです。

なるべく下の学年のうちから専門的なサポートをして、自信を失わないようにしてあげる必要があります。

④視覚・聴覚、または集中力にハンデがある

視覚

視野が狭くて解答欄が見つけられない。

目の動きがぎこちなくて、文を縦(または横)に追えない

聴覚

ある高さの音(声)が聞き取りにくい

実は片耳が聞こえにくい

集中力が持続しにくい

テストの答え方など、先生の指示を最後まできけない

問題をといていたら違うことが気になり、答え忘れてしまった

ある程度であれば、本人が気をつけて乗り越えていくものです。

見え方や聞こえ方、集中力はそもそもみんな違います。

ただ、本人が頑張っていてもできなくてつらい思いをしていたら、どんどん勉強が分からなくなり、どんどん自信を失っていきます。

学校の集団で過ごしていると、ひとりの小さな困りごとは見逃されがちです。

大勢を見る担任では気づきにくいことこそ、親が気づいてあげたいですね。

「気になるな」と思ったら、担任や専門機関に相談してみましょう。

90点以上とらないといけないのか

なぜ90点以上と言ったのか。

それは、うっかりミスではないまちがいがある子は90点未満のことが多いからです。

うっかりミスは、年齢が上がっていくと少しずつ少なくなります。

しかし、学習内容が理解できていなかったり、説明したような困難をかかえていたら、年齢があがると勉強がどんどん分からなくなっていきます。

小学校の勉強は、決して簡単ではありません。

そして全部理解できていることが、中学校でつまずかない絶対条件となります。

小学校のテストは「検査」のようなものです。

血液検査にたくさんの項目があるように、小学校のテストから分かることはたくさんあります。

お子さんのタイプをていねいに見て、よりそってあげたいですね。

もちろん100点だったら、

「問題をよく読んだね!!」

「ていねいに答えをかいたね!!」

「難しいのにあきらめなかったね!!」

「1個でもまちがえたら100点はとれないよ。よく集中したね!!」

などなど、お子さんの努力をねぎらう褒め言葉をたくさんかけてあげましょう。

小学生に塾は必要か

中学受験を考えているのであれば、対策のプロである学習塾に入っている方が有利でしょう。

そうでなければテストの点数がよくなかったからといって、すぐに塾に入れるのは待ってください。

入った塾が子どもに合っていなければ、子どものよさを潰しかねません

子どものつまずきがどこにあるかによって、サポートが違うからです。

担任も塾講師も所詮は他人。学習や入試の専門家にはまちがいありませんが、我が子の専門家ではありません。

子どものつまずきはパパママが一番見抜けるのではないかと私は思います。

担任時代、塾で忙しくしているのに伸び悩む子を見ながら、こう思うことがよくありました。

「パパママ、そこじゃないよ。

この子はいっぱい話を聞いてもらいたいし、褒めてもらいたいんだよ。

家での時間をいっぱいつくって、塾だけじゃなくて学校で頑張った話をきいてあげて。

素直なこの子なら、もっと学校で頑張って成績があがるはずなのに・・・」

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