自由研究を使ってわが子を伸ばす!夏休みだからこそできる特別な宿題

学習サポート

自由研究は、子どもの興味に合わせて自主的に好きなだけ取り組める、特別な宿題です。

自由だからこそテーマ選びが難しく、年齢が低いほど親のサポートが必要となるため、めんどうくさい宿題の代表となっていますね。

最近では、自由研究を代行してくれるサービスまであるとか。

でも将来役に立つ力を総合的につけることができるのであれば、わが子を伸ばしたい親御さんにとってはしっかりやらせたい宿題ですよね。

私も子どもが小学生の時には毎年取り組んでいました。

教員として審査に参加したこともあります。

ここでは、自然科学分野の自由研究で子どもの力をつけるために、親がするとよいサポートの手順やコツを紹介します。

お子さんとの一生の思い出ができますよ。

自由研究をすることの意義

自由研究は、テーマ選びから考察、研究物のまとめまでが一つの課題になります。

創造力はもちろん、文章を書く力や資料をまとめる力がつきますし、研究した分野について深い知識がつきます。できあがることで感じる達成感はほかのものに代えられませんし、提出していろいろな人に見てもらうことで自己効力感も味わえます。

学校でも、総合的な学習の時間などで調べて発表する機会はありますが、30人が一斉に学ぶ学校では、一人ひとりに応じた自由な探求活動は難しいです。

これからの時代に必要な力を網羅する宿題は、自由研究だけではないかと思います。

自由研究をやるだけで、学校ではできない体験や学びをさせてやることができるので、子どもも大人も気合いを入れて挑戦しましょう!

ここからはサポート側がやることを手順に沿って説明します。

どれくらいの力を入れた作品にするのかを考える

今年の自由研究は、どれくらいのレベルをめざしますか?

どのレベルであっても、自由研究は子どもにとって意義のあるものになりますが、ゴールが違えば準備の仕方が変わります。

途中で迷うことがないように、ゴールを決めておきましょう。

都道府県入賞・全国レベル

とにかく研究が大好きで、新発見をしてみたいというレベルです。

アイデアの独自性はもちろん、膨大な実験や観察のデータに基づいた考察が必要です。

研究期間も、夏休みだけでは短いと感じるものが多いですし、数年にわたって継続している研究が多く見受けられます。

市や区での受賞レベル

子どもの人数が多い自治体では、ここまでくるのも難しいでしょう。

夏休みの期間だけを使った研究で、上を目指すのであれば、このあたりが妥当かと思います。

ここで受賞するには、地道な観察や実験データを集めてきれいにまとめることが大切になります。

宿題として合格レベル

1日から数日で仕上げることができます。

研究としてのみばえはいまいちかもしれませんが、初めてのことに子どもがチャレンジするなら、子どもにとっては十分貴重な体験となります

賞ではなく、やってみたことに価値が感じられるよう、楽しんで研究できるとよいと思います。

テーマを決める

テーマが決まるまでが難しいですね。

知りたいことがあったとしても、研究としてまとめるのであれば、研究内容まで考えてテーマを決めなくてはいけません。

たとえば、「雲はなぜ乗れないのか」では、研究として成り立ちません。

しかし「雲をつくる研究」であれば、見通しをたてることができます。

実は「なぜ」という言葉は研究を難しくしてしまいます

それよりも、「○○をする研究」「○○をしたら○○になるのだろうか」など、何をするのかはっきりしたテーマにすると方向性がはっきりします

もちろん、作品を出品するときにはテーマを工夫して替えてもよいでしょう。

ジャンルの選び方

小学生の研究で一番多いのは生物分野です。

生物の種類だけでなく、食べ物やすみか、行動など、具体的なテーマがいろいろ考えられます。

電池作りや磁石などの物理分野、洗剤や素材などに注目した化学分野の研究も、生活に身近なものを扱うことができるので、おもしろい研究になります。

天気や地質などの地学分野は、その土地ならではのデータを集めることになるので、博物館などとの連携もよいでしょう。

水質調査などの環境分野もその土地ならではの研究になります。

フィールドワークで集めたデータの量が多いほど、研究としてすばらしいものができます。

自由研究について検索するとたくさんのアイデアが出てきますね。

この記事は親のサポートメインで書いているので、ネタを調べたいときにはいろいろ検索してみてくださいね。

まとめ方を考える

研究を進めながら、どのようにまとめていくかを考えないといけません。

観察して、何に記録をするのか?

スケッチをするのか、それとも写真を撮って貼り付けるのか?

構成はどのようにまとめるのか?

何にかいてまとめるのか?模造紙?スケッチブック?ノート?

まとめるときの言葉は、どのようにして書かせるのか

決めることや準備するものが、たくさんあることがわかったでしょうか。

最後にできあがる研究物を具体的にイメージしながら、文房具屋などでそろえていかないといけません。

また研究では、子どもはたくさんの字を書かないといけなくなります。

見栄えがするからといって、いきなりペンで字を書き始めると、まちがえたときに最初からやりなおしになって、いやになってしまうことも考えられます。

ただでさえたくさんの字を書かないといけない自由研究、子どもの負担を減らすまとめかたにはどのようなものがあるのでしょうか?

子どもの負担をやわらげる、まとめかたのくふう

書いたものをクリアファイルのポケットに入れてまとめる

まちがえて行やページがずれてしまっても、かんたんに入れ替えたり差し替えたりすることができる、おすすめの方法です。

ポケットに入れるので、画用紙などにまとめる場合より見栄えが劣るかもしれませんが、たくさんのデータを扱って整理が大変になりそうだなと思ったら、私ならこちらを選びます。

スケッチブック1冊にまとめる

しっかりした記念の1冊になるまとめ方です。画用紙は失敗すると破ってしまうしかないので、ページの入れ替えなどはできませんが、紙がしっかりしているので見栄えがよいです。字の間違いが気になる場合は、別の紙に書いたものを張り替えて、コラージュするといいですよ。

画用紙をリングなどでとめて製本する

クリアファイルとスケッチブックのいいところ取りです。まちがいがあればすぐ差し替えられますし、見栄えの良い物ができます

しかし、リングの穴が破れたりする心配があるため補強したり、ページがめくりにくかったりするというデメリットもあります。

模造紙にまとめる

地域によっては、模造紙にまとめるよう指定されているところもあります。

ポスターセッションのイメージですね。

全ての実験データをのせるわけにはいかないので、ポイントをまとめて色や写真をうまくつかって整えていきます。模造紙だけではなく、データをまとめたノートや成果物を一緒に出品することになるので、出すことを考えてきれいにまとめておく必要があります。

構成の作り方と文章の書き方

研究に慣れた高学年の子どもなら、自力で考えることもできますが、小さいうちはおうちの方が考えてあげないといけません。

シンプルな構成はこのようなものです。

  1. 研究しようと思ったわけ(研究の動機)
  2. 研究の目的
  3. 研究の方法
  4. 準備物
  5. 予想
  6. 結果
  7. 分かったこと(考察)
  8. おわりに
  9. 引用・参考文献

構成は研究によってちがいます。

いくつもの実験をするために3~6が長くなるものもあるかと思います。

2-1、2-2といったように小見出しをつけて整理していきましょう。

一番すっきりまとまるように、研究に入れることと入れないことを決めてあげましょう。

子どもと一緒に研究物をまとめる

これが一番大変な作業かと思います。

子どもが疲れていやがったり、けんかをしたりすることもあるでしょう。

自主的な研究をしているのにおうちの方にしかられてしまうなんて、せっかくの研究がもったいないですよね。

子どもが研究をきらいにならないように、ペース配分をしてあげてください。

そのためには、おうちの方が構成を考えたときに、どこがどれくらいの文字量になるか、どこに写真や表を貼らせるか、作業量をざっくり見積もっておく必要があります。

夏休みの他の宿題や遊びの予定とうまく調整して、無理なく完成するようにしておきましょう。

私の経験上、大変だったのは結果をまとめるときの資料の整理です。

写真が大量になりそうなときには、日付を挿入した画像になるよう設定したり、貼り付けたサンプルがこわれないように小さなジップロックに入れてペンでメモをしておいたりするなど、あとで困らない工夫が大切です。

子どもらしさを大切にするようこころがけましょう!

学校や自治体レベルの作品展では、「これは親の研究になっているな」というものがあります。

目的を達成するために自分で調べるのはすばらしいのですが、どう見ても子どもらしさに欠けるものがあるのです。

あまりにも子どもらしくない実験やまとめがされた研究は、賞から遠ざかってしまうこともあります。

実験もうまくいかないことが多いので、都合の悪いデータもあるでしょう。

それを隠すのではなく、きちんと記述することも大切です。

自由研究は子どもが主役です。

はじめは科学的でなくてもかまいません。

研究が進んでいくうちに、科学に向き合っているものであれば高く評価されます。

子どもの未来に期待して、審査員は審査をしていきます。

テーマにした生き物のことが好きでたまらないということが伝わる作品や、その子でないと出せないようなアイデアの作品、努力がにじみ出ている膨大なデータが記された作品…。

学会で認められるものというよりも、将来が楽しみになるような研究を、審査員は期待しています。

お子さんのよさがぞんぶんに表れた研究になるとよいですね。

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