夏休み帳を使ってわが子を伸ばす!ただやるだけではもったいない

学習サポート

夏休み帳をすると、どんないいことがあるの?

夏休み帳をうまくつかうと、基礎学力、集中力、計画性を育て、達成感を感じさせることができます。親のサポートの仕方を紹介しますね。

夏休みの計画表で、夏休み帳の見通しをたてましょう!

夏休み帳をもらったら、はじめに計画表を作りましょう。

計画表は、ダウンロードしたカレンダーでも、手作りのものでもかまいません。

スケジュールアプリよりも、子どもにはいつでも貼って見られる紙の方がよいと思います。

夏休み帳をもらったばかりの子は、目の前の夏休みが楽しみでしょうがありません。

遊ぶことはもちろん楽しみでしょうが、宿題を頑張る気持ちが一番高いのもこの頃です。

夏休みがはじまると、少しずつだらけがちなので、夏休みのはじめに計画を立ててしまうことをおすすめします。

計画表には、まずは家族旅行などの、みんなの予定を入れます。

そのあとに宿題や習い事などの、子どもの予定を入れていきましょう。

夏休み帳の計画を立てるときのポイント

夏休み帳を進め方を考えるときには、まずもくじを見てみましょう。

多くの夏休み帳は、教科ごとに見開きで番号がうってあります。

見開きで、一日何ページずつ進めていくか考えて、計画表にページ番号を書いていきましょう。

気をつけたいのが、まちがいの直しも一日のやることに含めることです。

間違えたところは直さないと、学習は身につきません。

夏休み帳を終わらせることばかりに夢中になると、まちがい直しは後回しになりがちです。

復習して、苦手を克服したことにはなりませんね。

一日に進めることの中に、「まちがえた問題のやりなおし」を必ずいれておきましょう

小さい子どもは、自分で決めたことでもなかなか持続しません。

保護者が実際にやったページを見て、答え合わせをして、「明日もがんばってね」とはげますことで、計画通りに進めることができます。

カレンダーなどに書きこんで、できたらシールをはったりスタンプを押したりするのもおすすめです。

お子さんの継続するエネルギーになりそうな、小さいごほうびを考えてみるとよいでしょう。

予定どおり夏休み帳が終わったら、子どもは自分で決めた計画をやりきったことになります。

計画通りに仕事を進めるのは、大人にとっても大変なことです。

夏休み帳を計画通りやりきったら、お子さんががんばった課程をほめてあげてください。

夏休み帳のすすめ方

一日の決めた時間に、計画表にかいてあるページに取り組む

どんどん夏休み帳が進む子の場合、決めたページがすぐに終わってしまうこともあるでしょう。

しかし、何日分もやってしまうと、間違いがあったときに直すのが大変になってしまいます。

たくさんやったとしても何ページまで、と決めておくと、やり直しがたまってしまうこともありません。

夏休み帳が終わったら、読書や工作をするなど、1日が夏休み帳だけで終わらないようにするとよいかと思います。

やった日のうちに答え合わせをしてやる

答え合わせは、子どもが問題を解いたらできるだけ早くやってあげましょう。

答えを見ながら、○・△・☑の印をつけていきます。

子どもが「自分で丸付けできる」と言っても、夏休み帳はできるだけ親が答え合わせをしてやってください。

答えを見て自分で丸付けをして、間違えたところをやり直して理解する・・・。

これができるに超したことはありませんが、かなりレベルの高いことです。

学校でも自己採点をすることはありますが、正直に丸付けをしたり、自分で分かるまで考えたりすることは、高学年になってもできる子とできない子がいます。

夏休み帳をしっかり活用して、苦手を克服したいなら、親が採点してやるほうがまちがいありません。

まちがえた問題を解き直す

まちがいは宝物です。

なぜまちがえてしまったのか、お子さんと一緒に考えましょう。

どうしたら次まちがえないですむか、というところまで考えて、同じような問題に生かせるようにしましょう。

一気に夏休み帳を終わらせて、一気に答え合わせをしてしまうと、この「次に生かす」練習ができません。

すごく価値があることなので、ぜひやってみてください。

解き直した問題の答え合わせをする

解き直して正しくできたかどうか、そこまで面倒をみるのは大変なことです。

ですが、夏休みこそやってほしいことでもあります。

まちがいが自分でわかり、正しいやり方をマスターできていたら、青ペンなどちがう色で丸をつけてあげましょう

まちがいを直すのはめんどうくさいことなので、花丸をつけてあげてもよいと思います。

自分の苦手にむきあうことができたら、上の学年に上がったときに強みになります。

「分かるまでやらないとすっきりしない」というくせをつけておくといいですよ!

わが子の基礎学力が身についているかどうかをチェックする

できれば目の前で宿題をやるところを見ましょう。

次のようなところを見てみてください

鉛筆は正しくもてていますか?

正しく持っていないと、たくさん書くときに手が疲れたり、鉛筆の可動域が狭くて字が小さくなってしまったりします。

学校でも指導はされますが、ていねいに教えられるのは1年生の最初だけなので、正しく持てた子も持ち方がくずれていることがよくあります。

正しく持てる子は、中学生や高校生になって書く量が増えたときに、必ず得をします

大人になってからも、人前で字を書くときにはずかしくありません。

間違った持ち方が身につくと、子どもはそれが書きやすいといってなかなか直りません。 正しい持ち方の方が書きやすいと子どもが感じるまで、根気強く直してあげましょう。

漢字や計算が正しく答えられていますか?

ひらがな・カタカナ・漢字

ひらがな、カタカナ、習った漢字は使いこなせていますか?

2年生以上になると、意外と正しいひらがなやカタカナを忘れていることがあります。

ひらがな

書き順をまちがえて字形がくずれやすい字「や」「も」

点や線の向きを気をつけないとバランスがくずれやすい字「ふ」「む」

「折れ」に気をつけるだけできれいに書ける字「え」「て」「み」「る」「れ」

1年生の「ひらがなちょう」が参考になりますよ。

カタカナ

定番の間違えやすい字「シ」と「ツ」、「ソ」と「ン」

覚えていない子が多い字「ヲ」「ネ」「テ」「ユ」「ヨ」「フ」「セ」

※私が小学校で指導した経験から選んだ字です。

漢字

漢字ドリルを細かく見て、子どもの力に応じて、できるだけ同じように書けるようにしましょう。

学習指導要領によると、とめ・はね・はらいや書き順には、必ずしもこだわる必要はないとされています。

しかし、現場で指導をしていると、細かいところもきちんと書けるようになることの大切さを感じるのです。

中学年以上になると、新しく習う漢字の量が膨大かつ複雑になってきます。

難しい字も、よく見てみると、習った漢字の一部がパズルみたいに組み合わせられたり、低学年で習ったのと同じパターンだったりするのです。

細かいところまで正しく書けている子は、新しいを習得するときの負担が少ないようです。

長い目でみると、低学年のときには徹底してきれいな字を書かせていたほうが得をしますので、学習内容が少ないうちにがんばっておくことをおすすめします。

このページは書き順をシンプルに見せてくれるので参考になりますよ。

ひらがな書き順動画 (xn--r8jwc3b7g5orc.com)

計算

算数の足し算や引き算、かけ算(2年生の二学期に習うため、3年生以上の夏休み)、わり算(3年生以上)の計算ができていますか?

できないことを残しておくと、上の学年で確実につまずきます。

早く計算ができると、難しい活用問題が出てきたときに、計算ではなく考える時間をたっぷりとれるので思考力も育ちます。

計算は、早く確実にできるにこしたことはありません

練習すればするほど正答率やタイムに成果が表れるので、こつこつと取り組ませましょう。

夏休み帳の中で、子どもの苦手な計算が見つかったら、同じような問題をといてすらすら答えられるようにしておきましょう。

学校で使っている計算ドリルを使ってもよいです。

学校の端末に計算練習用のアプリがあり、使える状態になっていればためしてみましょう。

(自治体単位で有料アプリを購入しているところも多いです)

前の学年の問題ができていなければ、次のようなサイトがとても便利なので利用してみてください。

おすすめの無料学習プリントサイト

・ちびむすドリル

・ぷりんと365

おすすめ無料アプリ

・トドさんすう

・ドラゴンドリル

問題が正しく読めていますか?

読解が苦手な子は、問題文を読むのも苦手です。

とくに記述式の問題は、問題の問いかけに対応したこたえになっていないといけません。

問題の意味がわかってなさそうであれば、まず夏休み帳の問題を声に出して読ませてみましょう。

自分の答えがおかしなことにすぐに気付くはずです。

決まった答え方のある問題例

問題文「・・・の理由はなんでしょう。」

答え「・・・だから。」

問題文「・・・とは、なんのことでしょう。」

答え「・・・(という)こと。」

ときどき、どんなアドバイスをしたらよいか分からなくなる答えを子どもが書いていることがあります。

たとえば、4年生のごんぎつねで考えてみましょう。

誤答の例

問題文「ごんが「つまらないな」と思ったのはなぜでしょう」

子ども「つまらなかったから。」

親としては、たしかにそうなんだけどさあ!!と叫びたくなりますね。

こんなときは、一緒に考えてあげてください。

「つまらない」は「いやなきもち」に似ている。

なんで「ごん」は、いやなきもちなのかな。

何があったのかな。

子どもが

「だってさ、せっかく自分がくりや松たけを持って行ってるのに、神様が感謝されてるんだもん。」

といえばしめたもの。

解答の答えになっとくがいくことでしょう。

解答を写すのは、悪いことではありません。

分からない問題の答えを見て、自分で納得して書き写すのであれば、記述問題の答えを書くことが書く練習になります。

何度も書いているうちに、書き方のコツがつかめる子もいます。

たまに親が正しい答えを書いてあげている夏休み帳をみますが、答えを写すだけなら子どもにさせた方がよっぽど効果があります

筆算や途中式をめんどうくさがらずにかいていますか?

ひらめくのが早い子は、筆算や途中式をいちいちかくのをめんどうくさがります。

よっぽど暗算が得意なら、筆算はなくてもよいでしょう。

ミスをしているようであれば、筆算をかく習慣はつけたほうがよいです。

どこで間違えたか分かるからです。

途中式は、中学校や高校に向けてとても大切です。

式を残すことは、どのような考え方で、どのような手順で解いたのか、考えたあとを式で表現することです。

高学年の記述式問題でも、言葉と式がセットになっていることが正答の条件になっていることが多いです。

中学校の証明問題は、途中式を発展させたものといってもよいでしょう。

下の学年のときから、「かきながら考える」くせがついていると、その後の伸びが違います。

答えだけでなく、途中式にも丸をつけてあげましょう。

ていねいにかいていれば花丸でもよいです。

正解に価値があると思わせずに、答えにいきつくまでが大切であることを伝えましょう

おわりに

教員が学校で教えるときに、大切にしていることを中心に紹介してみました。

学校と家の採点の仕方が似ていると、子どもに分かりやすく、力がつきやすいです。

ふだんの担任の採点をみて、何を大事にしているのか読み取ってみてください。

担任は、全員の宿題やプリント・テストなどの採点に、時間をかけることができません。

赤ペンでラインを引いたり直したりして、その子に応じたアドバイスをしているつもりです。

「先生はこうしてほしいんじゃないかな」と親が読み取って伝えるだけでも、その効果は高まります。

ときどき採点をSNSにさらして批判をする保護者がいますが、教員にはだいたい意図があるので、納得がいかなければ直接きいてみるとよいでしょう。

子どものためを思わなければ、×をしたりやりなおしをさせたりすることはありませんから。

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